2017年9月5日火曜日

2017.09.02 『自転車人 2008 Summer』

発行所 山と渓谷社
発行年月日 2008.08.10
価格(税別) 1,100円

● この雑誌の白眉は平野勝之さんのエッセイ。69歳の女性サイクリストの話。
 若くして夫を失い,自身も片脚を骨折。2本ある骨の2本とも折れたらしい。
 そうなると,なかなか難しいんだそうだ。一度は諦めて自殺まで考えたけれども,自転車療法(?)で治るという話を聞き,東京の外科医を訪れた。
 で,治ったよ,と。

● このあたり,本当なのかねと眉に唾をつけたくなるんだけれども,そういうことのようだ。自転車を漕ぐことで難しい骨折を克服することができた。
 その後,彼女は徐々に走行距離を延ばしていった。四国遍路を自転車でなしとげ,ついには京都の自宅から北海道までやってきた。

● 平野さんとは襟裳岬で出会っている。ツーリングで辛いことは?と訊ねると,ない,との返答。骨折のときの絶望感に比べれば何でもない,と。

● 何だか,できすぎた話のように思えるんだけど,でも,いい話には違いない。