発行所 枻出版社
発行年月日 2015.05.10
価格(税別) 1,500円
● 旅自転車のムックをもう1冊。
● 東叡社山田社長のインタビュー記事が載っている。山田さんの発言をいくつか転載。
結局オーダー車だから,注文する人のレベルを反映しちゃっている部分もあるわけですよね。自分なりにその目的意識がはっきりしているんだったら,別にいきなりオーダーでもかまわないと思いますよ。でもそういうのがないんだったら,ショップに行って話を聞いてみるのも一つだと思いますよね。(p30)
いいフレームって,なにがいいかっていうとその人に合っているかどうかだからね。その人の乗り方に合っているかどうかが,いいかどうかだから。531だからいいとかさ,そんなの本来関係ない問題だから。(p32)
サンプレやユーレーにこだわってうちに直接オーダーに来る人って,正直あんまり乗らない人なんだよね。年配の人でも実用的な人はもう,今時の新しいパーツを使いますよね。(p33)● 白鳥和也さんのエッセイも面白かった。いくつか転載。
自転車に乗って宿に着き,翌朝そこからまた自転車で出発する。書いてみればそれだけのことなのに,移動手段が自転車になっただけで,四輪車や公共交通機関を利用して経由地に辿り着き,そこで宿泊して翌朝そこを発つことと,まるで気分が異なるのである。こればっかりは,やってみないと実感できないだろう。(p44)
栄光というものは,すまぬがどこか間が抜けており,芸術的興趣には足りないところがある。(p45)
旅というものがどういうものかということさえ,世間一般の人はあまりよくわかっていないのだ。それは,多くの人がそのお約束の中で生きている社会的秩序や経済生活から,はみ出すことだからである。(p45)
今風に進歩するとか,今日は昨日より速く走るとか,明日は今日より偉くなる,というような立派なことはもう面倒くさいからほかの人たちにまかせて,ま,道のほとりで風にでも吹かれようじゃないの。どうも,翻訳すると,そういうふうに自分の自転車は言っているような気がしてならないのだ。(p45)● “ブルベランドナー”というのがあるらしい。ブルベ用のランドナーということ。ブルベって,ロードバイクで走るものだと思っていた。ほとんどの人がロードで参加するらしい。
が,600㎞も走るということになると,体ひとつというわけにはいかないだろう。それなりの積載能力を備えた自転車の方がいいのかもしれない。
しかし,重いのではまずいだろうから,ここはスポルティーフが主体になるんでしょうね。