編者 迫田賢一
発行所 八重洲出版
発行年月日 2020.02.29
価格(税別) 1,200円
● 八重洲ブックセンター宇都宮店で購入。タイトルが刺さってきた。まさに,今,自分がやりたいこと。浦和に着くまでの宇都宮線の車中で読んだ。
まず読むべきは,石井正則-田村浩対談。地の文は省略して対談部分のみを。次にリアルの実例。10人の折りたたみ式自転車の装備と使い方が紹介されている。
● ブロンプトンが多いですな。欲しいです,ブロンプトン。泥除けがあるのと,長期のキャンプツーリングにも耐えそうだからね。
ロードで骨折顔面血だらけ事故を起こして,奥様に自転車を取りあげられているんだけど,これなら認めてもらえるのではないかと思うし。
● この楽しいムックから2つほど転載。
あるカメラの開発者がいらっしゃって,その人の“どんなに高級なカメラでも,その場にいなければ写真は撮れない”という言葉が大好きなんです。だから軽くて小さなカメラを作った人なんですけど,僕は折りたたみ自転車も同じだと思うんですよね。出かけるのに気負っちゃう自転車だと,出かける機会が減って・それがだんだん罪悪感になっちゃうけど,折りたたみ自転車ならサッと持って出かけられる。(石井正則 p15)
たいていの趣味は「自分一人で完結できる」という心意気が大切だと思う。(中略)誰かの道具を頼ったり,手助けを望むのは決してほめられたおんじゃない。(中略)仲間と遊ぶにしても,自己完結力を身に付けた者同士で楽しみたいと思う。それが趣味の醍醐味だ。(田村浩 p98)
● 今日の下野新聞。鹿沼にも富士山がある。その富士山を登るヒルクライムレース。
日本で最も短いヒルクライム。700mで標高差が40mあるんだから,けっこうな勾配じゃありませんか。けっこうな勾配であっても,700mならぼくでも走れるかも。
● 鹿沼といえば,古峰原街道は本格的なヒルクライムのコースになると思う。鹿沼市内から古峰神社まで走るのも,ぼくは御免こうむりたいが,古峯神社から先はさらにきつい勾配が続く。腕(脚)に覚えのある人向けだ。
で,そういう本格コースなら,じゃあヒルクライムレースを企画しようかとなるだろうが,700mの小山で日本一短いヒルクライムをやろうよというのは,ちょっと面白いんじゃないか。
成功してほしいぞ。ぼくは出ないけどね。順位がつくレースはやだもんね。
● 何でやなのかといえば,腕(脚)に覚えがないからだよね。年も年だしね。シニアという枠を設けてもらいたいよ。
それでも出ないけどね。第一,年寄りの冷や水って言葉がある。
● 自転車の楽しみ方は,人の数だけある(かどうかはわからないけど,かなり多様だよね)。ぼくはぼくの体力と年齢に合わせた楽しみ方で自転車と付き合いたい。
って,その付き合いが途切れているわけだけど。ケガはだいぶ良くなってきたんで,あとは自転車を修理するだけなんだが,この暑さだと,何だか乗りだすのが億劫でね。しばらくいいかぁと思っちゃったり。
● 右は今日の下野新聞。プロのロード選手と一緒に那須高原を100km走る。休憩所では食べ物もふるまわれる。楽しいだろうねぇ。
これからはプロ野球チームやプロサッカーチームよりも,ロードレースチームを抱えている方が,その地域のイメージアップに資すると思いますよ。
● では,おまえはこうした催しに参加するつもりはあるのか,と訊かれると,ノーだなぁ。足を引っ張っちゃいそうで申しわけないからな。
● というのはウソで,ぼく,こういうのは苦手。団体行動というのか集団活動というのが。単独で動きたいんだよね。コースを決められるのはいいんだけれども,一人で走りたい。
こうしたイベントでも,結局は一人で走ることになるんだけど,集団参加がごろごろいるだろうから,どうも気圧されるところがあるんじゃないかと思ってね。場違いなところに来てるなぁと思うだろうな,と。
● このイベントが終わってから,一人で同じコースを走ってみるのはありかもしれない。その方が気楽でいいや。
● 1週間ぶりにFクリニック。リハビリ,2回目。あと2回で終わりそうな感じ。もう,自転車にも乗れる状態。腫れもだいぶ引いてきた。
あと,折れた前歯も治さないと。何気に鬱陶しい。
● もっと鬱陶しいのは,自転車復帰に向けて,相方の勘気をどうにかしなければならないことで,さてもさても厄介なことだ。
消極的同意で充分なので,何とかせねば。一応,理論武装(?)はできているので,彼女の機嫌のいいときに,交渉開始と参りたい。
● 職場の女性同僚を相手にシミュレーションもやっていて,そのときは完全勝利。まぁ,これは竹刀か木刀で斬りあったようなもの。しかも,相手方が大きく手加減してくれたわけで。
真剣での斬り合いとなるとね。理屈は通用しないだろうしな。ということは,理論武装じゃ武装にならない。泣き落としの方が効果的かなぁ。ある種の雰囲気を作って丸めこむという形しかないかねぇ。
さても,さても。
● いやいや,頑なにもう自転車に乗るなとは言わないと思うんですよ。そこはね,許してくれると思いますよ。
いい奥さんですから。うちの奥さん。
● 右は最寄りのJR駅にあったパンフの表紙。茨城県はサイクリングロード王国と呼ばれている(らしい)。
“つくばりんりんロード”は,岩瀬から土浦までの約36kmのサイクリングロード。筑波鉄道の廃線敷をサイクリングロードにしている。7年前に途中(真壁の少し先)まで走ったことがある。
で,その“つくばりんりんロード”と,霞ヶ浦を一周するサイクリングロードが接続されたようで,それを“つくば霞ヶ浦りんりんロード”と称するらしい。
● 霞ヶ浦って,中禅寺湖より少しは広いんだと思っていたんだけど,一周すると140kmになるらしいんだね。中禅寺湖よりだいぶ広いってこってすな。
ということは,わが家から岩瀬,土浦とたどって霞ヶ浦を一周して帰ってくれば,300kmを超えるロングライドになりそうだ。
● おっしゃー,やってやろうじゃないか。と思ったんだけど,ぼくはその自転車で転倒して骨折中の身。
先週,固定具が外れた。こうなりゃこっちのもんだ。というわけで,その後は病院に行っていない。リハビリが必要だと言われているんだけどね。行った方がいいんでしょうね。
● あと,自転車も骨折したんだけどね。タイヤが損傷した。ホイールには異常ないと思うんだけど,病院(販売店)に持ちこんで見てもらう必要がある。
が,こちらは病院に連れて行けてない。奥様がそのままでいいと仰る。
● このあたりをサッサと片づけて,復帰したい。事故ったのは5月29日で,もう1ヶ月が過ぎたのだし,梅雨も明けたんだからね。
● ちなみに,7年前に途中まで行ったというのは,それ以上進んでしまうと,その日のうちに家に戻れなくなりそうだったからだ。
7年前と今を比べて,今の方が体力に恵まれているなんてことはあるはずもない。体力は確実に落ちているはずだ。
● あのときの自転車は重ったるいクロスバイクだったのに対して,今はまともなロードバイクだ。
その違いが,体力が落ちたのを補ってくれるだろうと思っている。さらに,途中までしか行けなかったのを,土浦まで行けて,なおかつ霞ヶ浦を一周したうえで,自宅に帰還できるまでにしてくれるのではないか,と思っているのだ。
● ロード経験はまだ2ヶ月に満たないのだけれども,体力のない人ほどロードに乗った方がいいと思っている。自分は体力も運動神経もダメだからロードなんておこがましい,とは思わない方がいいのだ。
逆なのだ。体力のない人はロードじゃないとまともに走れないのだ。
● Fクリニックで左手のレントゲン検査。骨がくっついたようだ。
痛みがなければ,固定具を外してリハビリに移りましょう,と先生。まぁ,嬉しいお言葉。
あのね,骨折部の痛みは最初からなかったんですよ。ほんとなんです。痛くはなかったんですよ。はいはい,リハビリしましょ。固定具,外して下さい。早く,早く。
● というわけで,今日で固定具が外れた。
もう左手が蒸れることはないのだ。痒くなることもないのだ。隙間からペーパーナイフをさしこんで手の甲をかかなくてもよくなるのだ。臭いを発することもないのだ。左手を気にせず風呂に入れるのだ。
やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!! 何という開放感だ。矢でもライフルでもマシンガンでも持って来いっ。今なら,受けて立ちましょう。
● 1ヶ月も固定されていると,固定されていたところは,患部じゃなくても,固まってしまうんですなぁ。左手ではグーを作れない。パーも作れない。小指と薬指は曲がったままでまっすぐに伸びない。それ以前に,手首が曲がらない。
なるほど,人間の体のパーツは使わないでいるとこうなるのか,と自分の身体で実感できたよ。
筋肉もそうだし,脳もそうだよね(たぶん)。使わないでいると固まるんだよ。しかも,短期間で固まるんだな。
● まぁ,脳に関してはさ,普通に生活してれば固まることはないだろうけどね。ことさら頭を使おうとする必要はないよね,おそらくね。
むしろ,朝から晩まで自室で読書三昧なんてことをやっていると,刺激が単調になって,惚ける原因になるかもしれない。
だから,普通に生活していればいい。それで惚ける人と惚けない人がいるわけだけど,自分がどちらになるかは運に任せるほかはない。
● さて,リハビリだ。風呂に入ったときは,グーパー,グーパーとやってみてくれ,と言われた。
ごめん,そんなことやらないよ。幼稚園児じゃあるまいし。リハビリのためのリハビリなんかやりたくないよ。
● パソコンのキーボードを叩いても大丈夫ですかと訊いたら,リハビリになるから大丈夫どころか大いにやりたまえ,ということだった。ただし最初はできないだろうけどね,と。
バカを言っちゃいかんよ。こちとら,くっ付く前から,大々的にやったことがあるんだよ。
仕事で必要ならできるんだよ。ニッポンのサラリーマンをなめちゃいかん。
● ということで,必要に迫られて動かさなければいけないことをやって,リハビリに代えようと思う。つまり,仕事が一番のリハビリになるだろう。
これもパソコンで打っているんだけど,ほぼ完全にタッチタイプができる。左手の薬指も小指も,それぞれのポジションを担当している。
ぼくらはそんなもんなんだよね。悲しいことに。
● 左手が使えないと,困るのが体を洗うことだ。右手で右手を洗うことはできないのだ。
相方が洗ってくれるんだけど(ありがたいことだ),だんだん(回数が重なるごとに)介護されてるような気分になるんだよね。
でね,介護されるって,それ自体,いい気分のものじゃないんだわ。
● だものだから,その不快な気分から逃げようとする。自分でやろうとする。
といっても面倒なものだから,やらなくてもいいかと思いがちになる。風呂なんか1日くらい入らなくたって死にやしねー。
● 介護の現場では介護者がけっこう苦労してるんじゃないかと思う。作業それ自体じゃなくて,被介護者のわがままを持て余すという意味で。そのわがままは,介護されたくないというところから来ているんだろうな。
早く介護ロボットが実用化してほしい。相手がロボットなら,介護される不快さはかなり減じるんじゃないかと思うので。
● 液体のボディソープより固形石鹸の方が扱い易いのも発見のひとつ。
紙やすりの目の細かいやつを両面テープで壁に貼りつけておくか。石鹸をぬった右手をそこにこすりつければ,垢が取れてきれいになるんじゃないか。
という,ヤケクソな妄想を抱いたりもする。
● こういうことにでもならなければ気づくことができなかったことは,いろいろある。
が,事故なんかやらない方がいいに決まっている。やってしまったものだから,それを合理化する心理が働いている。