● 自転車の良し悪しと価格は基本的に比例するものだという。異議なし。
問題は,どのくらいの“悪し”なら許容できるかということだ。
● 自転車を趣味とする人はたくさんいる。ぼく程度の自転車乗りが,趣味は自転車ですといっていいかどうかはアレだけれども,一応,自転車が趣味だとしておこう。
で,ぼく程度であれば趣味としてもかなり浅い部類に属する。これは想像で言うんだけれども,浅い部類が最も多い層になっているのではないか。
休日は100㎞ライドがあたりまえとか,ブルベに出るとか,そういう人は少数でしょ。
● 自転車雑誌もたくさんある。書店で雑誌の隆盛ぶりをながめると,今,自転車は昇り龍のごとき勢いがあるのかと思わされる。
それら雑誌の記事を読んでいくと,こだわりのオンパレードであるわけだ。こだわることそれそのものの楽しさが,趣味性の主たる側面だろうから,それにケチをつけるつもりは毛頭ない。
ただし,ロードバイクのエントリーモデルの価格帯が10数万円だといわれると,ちょっと待てと思う。
● ほんとかよ。それって,メーカーの思惑に思いっきり乗せられていないか。自転車雑誌だって支えているのは広告だろう。メーカーの思惑に反した本当のことは書けないはずだ。
あのね,片道10㎞程度の自転車通勤をするのに,10数万円のロードバイクがほんとに必要か。
● 今日,ベルモール宇都宮店の「スポーツデポ」の自転車売場を覗いたら,29,800円のクロスバイクが数台置かれていた。
ぼくはハンドルがフラットバーなのはイヤなので,これは買わないけれども,片道10㎞程度の自転車通勤ならこれで充分なはずだとは思う。
● 10数万円のエントリーモデルにしたからといって,通勤時間が1分間短くなる? 1分間くらいは短くなるか。でも,ほとんど変わるまいよ。
ミニベロから700Cのロードに替えたのであれば格別,29,800円のクロスバイクから10数万円のロードに替えても,びっくりするほどの違いはないのじゃないか。片道10㎞程度の通勤なら。
● 用途に応じた道具を選べばいいので,過剰性能の道具を持っても仕方がない。10㎞の通勤からさらに進んだ場合(たとえば,1日に50㎞走るようになったとか)に買換えを検討すればいい。
ちなみにいうと,過剰性能の道具を使ってるって,どうもあまり美しくない。それくらいだったら,むしろ逆のほうがいい。1日に50㎞走るのに29,800円のクロスバイクかよ,おまえは,と言われるほうがまだいい。
● ホームセンターで中国製のママチャリが1万円にも満たない価格で売られるようになって久しい。自転車は使い捨て的な風潮がある。
大事に乗れば中国製のママチャリだってそれなりにもつと思うけれども,それと29,800円のクロスバイクを同じにしないほうがいいと思うんだよね。
今の安物は昔の安物と違って,速攻で銭失いに至るというわけでもないと思いますよ。
● 以上は,じつは前置きというか,導入なんですよ。
ぼくが乗ってるのは,ヤフオクで購入したドッペルギャンガーの折りたたみ式ミニベロ。価格は税込みで3万円ちょっと。
で,ヤフオクでドッペルギャンガーを買うくらいだったら,「スポーツデポ」で29,800円のクロスバイクを買うのが賢いよなってこと。
● 「スポーツデポ」でも「カンセキ」でも,リアルのショップで買えば,何かあったときに持ちこめるもんね。アフターケアをお願いできる。安心だ。
それと,おそらくモノとしても,ぼくが乗ってるドッペルギャンガーよりはいいんじゃないかなぁ,と。