板戸を縦断する道路が宝積寺駅のあたりから延びている。以前,車でその道路を走ったことはあるんだけれど,それこそだいぶ前のことだ。あらためて自転車で走ってみるか。自宅から一番近い大学である作新学院大学まで行って帰ってこようと思って出かけた。
● しばらくはセンターラインのない道路を走ることになる。幅が狭いわりに交通量は少なくない。すぐ隣を車が追い抜いていく。けっこう怖いものですね。
しばらく走ると,板戸エコパークの標識があった。ゴミ処理の最終処分場。で,ここから先は道路状況が一変する。充分な幅員の歩道も設置されている。
● このあたりは宝積寺台地というのだろうか,鬼怒川左岸のもともとは平地林だったところを切り開いて畑にした。そうして昔から人々が住んできた。道路の勾配はほぼ平坦だ。
そこに忽然と新しい道路が現れる。県道64号線(宇都宮向田線)のバイパスらしい。ぼくが持っている地図には載っていない道路だ。
● その道路を横切ってさらにしばらく行くと,今度はバイパスではない県道64号線と交差する。ここまで所要30分弱。右へ曲がれば道場宿,左へ曲がると芳賀町に至る。左に曲がってみた。きつくなはいけれど,アップダウンが付いている。主にはアップだが。
清原台の賑わいが現れる。新興開発地のオーラが充満している。すでに死語になっているかと思われるのだが,テクノポリスという言葉を思いだした。野高谷の交差点をさらに進むと刈沼町に至る。県の産業技術センターもここに越してきている。
わが家の近くにこれほどの賑わいがあったとは。いや,もちろん車で通過したことはあるわけで,知らなかったということではない。が,自転車だと感じ方がまた違う。自分と街を隔てるバリアがない。
● ここに住むかと訊かれれば,ノーサンキューだ。第一,ここには鉄道がない。バスはあるが便数が少ない。宇都宮に出るにも車しかない。車しかないというのは意外に不便なものだ。
この辺は割りきりだが,ぼくの年になると車オンリーというのはちょっと抵抗がある(昔からそうだったけど)。
● 引き返して清原工業団地に入ってみた。団地内を貫く幹線道路は左右それぞれに「車道-植樹帯-歩道」の構造。これなら公園としても使える。現に公園として使っている人たちがたくさんいた。犬を散歩させたりジョギングに興じていたり。ライダー野郎も何人かいた。
名だたる企業の工場があるが,一番広い面積を占めているのは,世界のキャノン。すごいもんだなぁ。お馴染みの長府製作所も。
● 工業団地は水戸街道(国道123号,宇都宮市内では石井街道と呼ばれてますな)で行き止まる。その123号を宇都宮方面に走ると県立農業大学校が現れる。
● ところで作新学院はどこなのだ? うろ覚えのまま来ている。大学ともなれば目立つだろうからすぐにわかるだろうと思っていたのだが,どうやら出直すことになりそうだ。
と思って信号待ちをしたいたところへ,JRバスが通り過ぎた。行き先表示を見ると,作新学院の方からやって来たらしい。で,そのバスが来た方向へハンドルを向けたら,小さい表示板を発見。無事,発見することができた。
隣には宇都宮清陵高校があり,近くには清原中学校があって,文京地区といえばいえないこともないと思うのだが,ぼく的にはすこぶるわかりにくい場所にある。自転車だから辿りつけたが,車では無理だったと思う。
● さて,作新学院大学。応援部らしき男子学生が数人,練習しているのが見えたが,あとは閑散としていた。日曜日とはいえ,ここまで閑散としていていいのか。
大学の北側は工業団地の緑地になっている。事実上の公園。初めて訪れたぼくのような者にはいい所に映るわけだが,地元の人たちはそんなに利用していないだろう。だいたい,わが家の近くにも小公園や中公園があるけれど,子どもが小さかった頃を別して,まずそこに出向くことはない。どなたも同じではないかと思う。
以上で約2時間である。自転車を降りていた時間は数分しかなかった。けっこう気にいったので,これからも何度も訪れることになると思う。