● 秋以降,ぼくの自転車に対する興味は萎え気味だった。乗ることが億劫に感じるようになった。それを跳ね返すために,たとえば疋田智さんの自転車本を読んだり,書店で自転車雑誌を立読みしたりするのだけれど,一時的な効果しかなかった。
カンフル剤を必要とするってことは,そもそも自転車が自分に合わないのかもしれないし(違ったタイプのものに買い換えると違った関係が生まれるのかも),瞬間風速的に無理を重ねてしまったところがあるのかもしれない。
● けれど,小学生のときから運動音痴だったぼくとしては,自転車は自分に残された最後の運動法だと思うし,初めて真岡まで自転車で通勤したときの充実感,翼を得たと思えた自在感をしっかり自分の中に定着させて,自転車と付き合っていきたいという思いはまだ持っている。
● 自転車を自分の生活の一部に取りこんでいること。そうじゃないと,付きすぎた贅肉をそぎ落とすこともままならないし,男の真ん中でいることも難しくなると,大袈裟にも思っている。
そのためには,代償として何ものかを支払わなければならないのだが,どうせ支払うなら気持ちよく支払えるようにしたい。そのためにどんな工夫ができるか。